『島先生と、付き合ってるんだろ?
なのに俺に逢いたい、ってなんだよ…』
1歩1歩ゆっくりと夏希に近づいて行く。
夏希の背中は女の子とは思えないくらい広くて。
心の広さと同じなのかもしれない。
ふと、そんなことを思った。
「フラれちゃったんだ。
『僕の彼氏としての役目は明日で終わりです』
って、昨日言われた。」
頭が混乱する。
どうして島先生は夏希と別れたんだ?
本気で好きなんだ、って前に俺に言っていたじゃないか。
それなのにどうして…?
『お前…俺からの手紙は読んだか??』
あれ以上聞くと余計に混乱しそうで。
だから質問を変えた。
「読んだよ。
ま、破り捨てたけど」
振り向いた夏希はニヤッと笑っていて。
「ウソ、冗談。
5文字の手紙と一緒にしまってあるよ」
5文字の手紙…卒業式に俺があげた手紙だ
『ありがとう』
しか書かれていない手紙。
って、俺の手紙読んだなら、なぜここに来た?
あーもう!
分からないことだらけじゃねぇか!!