『桐島先生は今、ある島にいる。
……………3年前から』
3年…前…?
それってあたしたちが卒業したあと…ってこと?
『桐島先生は夏希にだけ言わなかった。
3年後、屋上で逢えるから、だから…言わなかった。
ただ…3年経っても桐島先生は戻ってこなかったんだ。
だから夏希は俺のモノ…
そうなる…そうなると信じてたのに。
なのに、それなのに夏希のキモチは桐島先生一直線で。
あの頃と何も変わっちゃいなかった。
3年前、まだ夏希が中学生だった頃と何も変わっていなかった。
俺の入る隙間なんてまったくなくて。
割って入っても俺はすぐに邪魔者だ。
最悪だ…最悪だよ。
こんな屈辱は大学で石原に負けたとき以来だ。』
石原…県大会で負けた学校のソフト部の顧問。
そして、大ちゃんの永遠のライバル。
大学のとき、1人の女の人を巡って争ったらしい。
『今まで俺が声をかけて落ちなかったのは石原の嫁さんとお前だけ。
今まで俺が本気で好きになったのは、慶子と…夏希だけだ。』
大ちゃんの腕が肩に回る。
でもドキドキしなかった。
最低だ…あたし