私は、胸が鈍く鳴るのを感じた。




ゼロは、いつか見せた、悲しさや傷を隠したような顔をする。




「その方法って、難しいのか?」




レオが、ゼロに尋ねる。




「やり方はいたってシンプル。魔力の方も、俺ならなんとかできるレベルだな。」




それを聞いて、ゴリーは言う。




「なんだ!そんなら、早く元の姿に戻ればいいじゃねぇか!」




その言葉に、ゼロは黙る。





ブラッドが、そんなゼロを見て
ふぅ、と息を吐いた。






「……俺には、お前に迷いがあるように見えるぞ?


ゼロ。一体、何をためらってるんだ?」






それは、私も感じていたことだった。




会ったばかりの頃は、早く戻りたい、と
毎日のように言っていたのに、


最近になってから、一言も

元の姿に戻る、といった類の言葉を聞かなくなったのだ。





「ゼロ?どうしたの?」




私は彼の顔を覗き込む。