突然聞こえた拍手。
俺はその音にハッとした。
....俺は、何を....
拍手の元に目を向ければ、
白いワンピースを着てギターを持った
一人の女性。
俺はその子に、少し幼さを感じた。
「何拍手してんだよ。お前が路上で
やってたんだからされる側だろ。」
彼女は、あっそっか!
と言いたげな顔をして微笑んだ。
「....お前、弾き語りじゃねぇの?」
俺の言葉に、彼女は横に立てかけていた
スケッチブックを指さした。
「...ギターを初めて1週間です...?」
彼女は恥ずかしそうに頭をかいた。
もしかして......
「お前.....しゃべれないのか....?」
俺の言葉に彼女は
切なそうに笑ってうなづいた。