俺らが出会って、一週間がたった。
「だいぶ弾けるようになったな。」
今のサクラは初めて会った頃の危なっかしさは
無くなり、簡単な物ならすぐ出来た。
いつものように、あいつが書く言葉を待つ。
-隼人さんのおかげです。-
「俺のおかげ...フッ、まぁな。」
俺は少し恥ずかしくなって顔を背けた。
そして、また後ろからサクラのギターの音が
聞こえる。
懐かしい...この曲は、
しばらくぼーっとしていた俺だったが、突然の
拍手の音に我に返った。
「すげー!!すげーッス!ユニットっすか?!
歌めっちゃうまいっす!!」
...歌?俺が歌ってたって?...まさか、
学ランを着た少年の言葉に俺の血の気が引く。
「っ、飲み物買ってくる。」
走って、走って、走って、
気がついたらマスターの店の前にいた。
勿論開いてるわけがない。
でも店をみていると、アイツらとの思い出が
蘇ってくる。