戦う決意を決めたあの日から、1週間。
表界での戦いのため、作戦を立てていた翔真と紫月たちに、式神が届いた。
その式神が運んできた内容を読み、紫月の顔が険しくなる。
「…敵が判明したらしい」
「は?どういう意味だよ、それ」
眉を寄せている翔真に、すぐに時雨が説明を始める。
「私達が黒鷹集として巫女を守るように、敵も必ず複数で、まとまって動いています。なので、今回の敵の人数、強さ、どのような力を持っているかなどを知らなければ、こちらが有利には戦えません」
「向こうは殺しにくるが、こっちは守らなきゃいけねぇからな。どうしても戦いは不利になる」
和室の机にだるそうに顎を置くのは、要だ。
「巫女か…。そういえば、俺はまだこっちの世界の母さんを見てねぇな」
裏界は、言わば鏡の世界。
表界と同じ姿をした人間が、この世界のどこかにいる。
「馬鹿者。都様は私達のような下っ端がお目にかかるなどできるわけがないだろう。馬鹿者」
「…二度言ったな、コノヤロウ」