「えっと、保健室で私の話をしたついでに九条くんからもいろいろ聞けて、大翔くんとはちゃんと話せて元に戻れて…………って告白?」


淡々と答えてくれていた沙耶の口が急にピタリと止まった。

「どういうこと?」と首を傾げている。


「保健室で九条くんが沙耶に「好き」って言ってたの聞いちゃって………」



あれは幻なんかじゃなかったもの。


それに沙耶のことしっかり抱きしめてたし、告白以外考えられない。



「……ーーーーあっ、そういうこと」



思い出したかのようにポンッと手を叩き。


「澪ったらタイミング悪いんだから」


とクスクス笑っている。


やっぱり告白された優越感に浸ってるの?


私は九条くんが好きで。

九条くんは沙耶が好きで。

沙耶は大翔が好きで。

大翔は私が好き。


計算されたかのように上手く交わらないこの関係はいつまで続くんだろう。