また目に涙を浮かべ始める沙耶を見ていたら、こっちまで泣きそうになってきた。


この後、九条くんのところに戻ろうと思ってたのに泣き腫らした顔じゃかっこ悪いよ。


九条くんのところに…………。


あっ。


そうだ、聞きたいこと他にもたくさんあるんだ。


今日までずっと知りたかったことや、さっき気になったこと。


全部解決しない限り九条くんのとこになんか………。



「あのさ「九条くんの話聞いてたら」ってどういう意味?あと大翔とはその……大丈夫?それと九条くんからの告白の返事はどうしたの?」


勢いで近づいていく距離に沙耶がビクッと肩を震わせた。



「近いし質問多いよ〜」


慌てて距離を取る沙耶を見て、ようやく正気に戻り。


「ご、ごめん……」


私も一歩足を下げた。