「彼氏がいれば今日みたいな怖い思いしなくてすむだろ?」



かれ……し……?



「大翔の彼女になったらファンの子たちに怒られちゃうよ」



「変な冗談やめてよ〜」と笑い飛ばすが、それとは正反対に大翔の表情は真剣だ。


真っ直ぐと私の目を見つめるその瞳に、心臓がトクンと音を鳴らす。




「わかった、はっきり言う」



ちょっと照れくさそうに髪の毛をぐしゃぐしゃと搔き回しながら、また視線が重なった。