ピピピピッ! ピピピピッ!
バシッ!!
「はいはい、そんなに鳴らなくても起きますよ!そんなにウチはバカじゃな…」
今は朝の8時。
「…って、8時じゃん!?遅刻だ!!!!!もー、今日に限って寝坊するなんて人生でいちばん最悪だよ…。」
いや、二番目に最悪な出来事だ。
そんなことを言っているのは松田岬-マツダミサキ-。
「早くしなさい、岬。入学式初日に遅刻したら目立つわよ。」
これはお母さん。
「おねーちゃん、今日は転ばないようにね!ちゃんと前見て歩くんだよ?あと、友達たくさんじゃなくていいから信頼できる友達作ってね!!あとあと…」
心優しいこの子はウチの自慢の妹。
「でも、なんで岬は男子恐怖症なのかしら?お父さんは大丈夫なのに。」
そう、ウチは男子恐怖症なのだ!!
「お父さんは、おじさんだから大丈夫。でも、中高生の男が何故か怖い…」
思い出しただけでも寒気がする。
あれは、2年前の中2の時。
ウチはある男に告白された。
そのときはまだ男子恐怖症ではなくて男と普通に話したり出来ていた。
だから、初めて告られたから誰にも相談出来ずにOKしてしまった。
それから、2ヶ月がたって男がよそよそしくキスをしようとしてきた。
ウチは、びっくりしてあと数センチでするとこだったのを気付かないふりをして逃げてしまった。
それからは、男を見るだけで寒気がすごくて鳥肌も立って男子恐怖症になった。
だから、高校では女子校に行こうと決めていたのに…
受験当日にインフルエンザにかかって受けれなくてここ私立桜が丘高等学校に行くことになった。
ここは男子もいる恐ろしいところだ。
お父さんに車で学校まで送ってもらったからギリギリセーフ。
まずは、クラス分けを見なくちゃ!
ウチはどこかな……
…あった!!12HRだ!友達出来るかな?
「おーい、みさきー。お前俺と同じクラスだぜぃー♪やったな!!」
は?誰ですか、この人。
いきなり初対面の人に話しかけるなんて…
しかも、呼び捨てなんて。
「あ?またお前と同じかよ。俺運やっぱねぇわ。」
え?
「そんなこと言うなよ~♪ホントは嬉しいくせにぃ~!!運なんて一瞬で変えられるんだぞ!」
あ、なんだ勘違いか。ほっ。
てか、男を凝視してしまったァー!!!
今日ウチ死ぬ。