なぜか、動けなかった。







特別かっこいいというわけでもないけれどその人の目は吸い込まれそうに惹きつけられた。









「・・・じゃあ、職員室戻るわ」





その声で我に返った。




どのくらいこうして止まっていただろう





「えーもう戻るんー? もっとおったらいいやん!」



「東山、お前は練習しろ」



「ぶぅー」



「加藤、東山が脱走せーへんか見張っとけよ」



「わっかりましたー!」



「じゃあ、行きましょうか」






そうして、竹中先生とあの男女は行ってしまった





これがすべての始まりになるとは知らずに、私はただただ男の人の後ろ姿を見ていた