触られる事はあっても、手だったり肩をポンと叩かれたり。
頭だったり。
でもそこに厭らしさは少しもなく、私が最後に見たそういう姿は祐也が殴られたあの日。
生理かどうかを……
ーーゾクリ。
思い出して鳥肌が立つ。
今そんな事をされてはいないけど、雄大は普通に私の恥ずかしい所へと手を伸ばす。
慶太郎に話をしながら腕を擦ると、
「思い出したくない事思い出した?ごめんね」
「いや、大丈夫……でも普通は嫌いになるよね……やっぱり私おかしいのかも」
「ま、原嶋と麻衣ちゃんは本当の兄妹じゃないしね。ちょっと難しい所だよね。……あ。電話だ」
話ながら玄関に響く機械音。
ポケットからスマホを取り出した慶太郎は「めんどくせぇな」と口にして耳にあてた。