「は……?」
え。聞いてたの慶太郎。今何て……?
「だから、ありがとうって。つか聞きにくいこと聞いていいか?」
「……え、あ、うん」
まさかありがとうなんて想定外であっけにとられてしまう。だけど、よく考えれば裸女のありがとうだろうと納得して返事をした。
「原嶋とヤったのか」
「!!」
「言いたくねえならいい。ちょっと心配しただけだ」
ああ。心配してくれてるんだね。
瞼にたまった涙を拭いながら、「何もされてない」と答えると「そうか」と。
軽く聞いたわりには、安堵の笑みを浮かべた姿にまた胸がキュッとなった。
だから……
「家に帰ってからずっと何もされてないの。たまに家には来るけど世間話して帰ってくし」
と。
最近の雄大の様子を話すことにした。