「セックスしてぇ。今すぐ。泣いてる顔みてっと、ムラムラすんのって自然の摂理か?」
いきなり。
突拍子もないことを口にしだす。
私の腕を掴んでいた手は離れ、しゃがんでいた格好から、玄関にあぐらをかいて座った。
え……慶太郎……?
「興奮してるのって喧嘩でおさまればいいけどやっぱりセックスが手っ取り早いよな。目の前には生足があんだし」
何を言ってるんだろうと、頭がついていかず下を向いていた顔をゆっくり上げて慶太郎を見ると、わざとらしくにこりと笑った。
どうしたというのだろう。
全く今の雰囲気とは関係のない話をし出した慶太郎が分からなくてその顔を見つめた。