すると涙を流した幼なじみがいた。


「やっと、視界に映れたって、思っちゃった。」


しゃくりあげながら幼なじみは胸の内を明かす。


「それでね、好きになってくれるなら、いいよ。」


そういうと幼なじみはボタンを震える手で外し始めた。


「やめろ。」


ビクッと一瞬幼なじみの肩が跳ねたが、やめない。


「やめろって。」


僕は怒鳴るに近い大きな声を発し、幼なじみの右手首を掴んだ。


幼なじみの手首にはさっき強く握った紫色の跡がくっきりと残っていた。


「さっき、こんなに強く握ってたのか...。痛かったよね。」


幼なじみは俯いたまま、一度こくりと頷いた。


嗚咽を漏らしながら背中がずっと震えている。


「ごめん。」