私『美々安(びび)』は2人の幼馴染がいる。
1人が『恭也(きょうくん)』やんちゃで好奇心旺盛な高校1年バスケ部に所属している。
もう1人が『廉大(れーくん)』おとなしくて、優しい高校1年。おとなしいながら、恭也と同じバスケ部に所属している。
私たち3人は、いつも一緒にいた。
あんなことになる前までは。
私たち3人のママとパパはみんな同級生!
しかも、私たち3人はみんな誕生日が近い!
きょうくんが11/23。れーくんが11/25。私が11/28。
私は『これって、運命じゃない?』と思っていた。
そんなある日、私はママとパパに
「もうすぐ引っ越すから。」
と言われた。私は信じれなかった。
そんなこと嘘だろうと思っていた。
でも、
「必要な物ここのダンボールに入れて!」
とママに言われた時、本当なんだ。と確信した。
でも、きょうくんとれーくんには言えなかった。
今まで一緒にいたのに。
離ればなれになるなんて滅多になかった。
だって、どこに行くにも3人でワンセットみたいになってたんだもん。
買い物行くのも、遊びに行くのも、旅行に行くのも、病院に行くのも。
ずっと一緒だった一緒だったのに。
それからというもの私は、ずっと1人だった。
話しかけられても、喋れない。
いつの間にか私の周りには、誰もいなかった。
でも、これでいいんだ。誰にも話さなくていいんだから!
と自分に言い聞かせてた。
引っ越し当日。
トラックに荷物を詰め込んで、トラックに乗ろうとした。
そしたら、
「びび!どこ行くんだよ!黙って勝手に行くなよ!」
「そうだよ!なんかいうことないの?」
きょうくんとれーくんは、怒っていた。
2人共、親に聞いたらしい。
「ごめんなさい。今日、引っ越すことになった。」
「なんで今まで言わなかったんだよ!なんでだよ!」
「そーだよ!なんで?なんで言ってくれなかったの?」
「学校で暗かったのって、このせいかよ。」
「うん。」
「言っても言わなくても同じだと思って。
あと、みんなに迷惑かけないでしょ?だから。」
「でも、きょうくんと僕には言ってもよかったんじゃない?」
「言ったら、なんかしてくれた?うちは、他の子に知られたくなかったんだよ。
知られたら、みんななんかする!って言い出すでしょ?」
「でもさ、勝手すぎるぞ!言わんといてって言われたら、言わんかったよ!なんで当日になるまで言わんかったん?」
「…。」
「黙るなよ!」
「きょうくん、そんな怒らんときなって。びびは僕らのためを思って言わんと1人で抱え込んどったんやで。それに気づけやんだ僕らも悪いやん?」
いつの間にかれーくんは私のことを許してくれていたらしい。
「そうだよな。ごめん。」
「びびはどこに引っ越すの?」
「車で30分のところらしい。」
「じゃあ、土日とか帰ってこれるね!」
「うん。」
「来れるかわからんけど」
「来れたらでいいから、また3人で遊ぼ!」
「うん!」
「またね!バイバイ」
「またな!」
「バイバイ!気おつけてね!」
「うん!」
そう言って、トラックに乗った。
きょうくんとれーくんはトラックが見えなくなるまで。
いや、もしかしたら見えなくなっても手を振っていたのかもしれない。
これは中2年の時だ。