「なあ、心音。恋すんの?」

信号が赤に変わった。

「なによいきなり?」

分かってるよ。
裕太がなんでそんなこと聞いてきたのかぐらい。だって1年間誰とも付き合わなかったんだから。
それなのに分からないふりをして
聞き返した私は最低だ。

「ほら、あれだよ。あいつのこと」

「「…………」」

「関係ないよ!何よ今更!もう一年経ったんだよ?もう忘れたから!新しいきゅんきゅんする恋早く見つけるんだ~~!!早く王子さま来ないかな~~」

「そうだな。」

そういえばこの話、
高一の春、ちょうど一年前にもしたな。

そう、もう忘れたから。