「……ッ…俺はしぶてぇんだよ」

話を聞いていたのか桐野が言う。野生的というかなんというか、とにかく彼は深手を負っているわりには元気そうでこちらは何よりだが、少し心配な面もあった。

「須田さんも怪我してるんですから寝ててください。僕はまたすぐに署に戻らないといけませんからね」

これで被害者は増大、それもすべて警察官が狙われている。柳沢だってどこかで犯人が命を狙っているかもしれなく油断できないのか、胸には護身用の拳銃を毎日装置していた。