駅を三つ乗り越し降りてから学校までの道を歩いた。
「君は何か部活はしてるの?」
「私は……帰宅部です」
「そうか。でも推薦じゃなく普通に受験したのなら勉強をしっかりやった方がいいよな。
まだ一年だけど3年なんてあっという間だし……オレは推薦じゃなくて普通に受けたんだ。ただ走るが好きだったから陸上部に入っていたけど。
高3になってからは普通に受験生してた。推薦で入った訳じゃないから自分で将来決めないとだったしさ」
将来のことか……。いつもならこういう話しってまだ先の話しだし、まだ早いよって思ってしまうけど今日は違った……不思議とこの人の話しが頭のなかに入ってきた。
高校生になってまだそんなに経ってないし先の事はまだハッキリとは分からない……でもやってみたいと思っている事はある。
「ごめん、話し重かったよな?」
「そんなことないです。
私……ずっとやってみたいなって憧れている仕事があるんです」
気がついたら話していた。
こんな話ししたら私には似合わないって言われそうで今まで誰にも言ったことなんてないのに。
「目標あるんだ?」
「でも……私じゃ無理だと思います。……美人じゃないから」
「えっ!?美人?……君のやってみたい職業ってどういう仕事なの?」
最後の方は恥ずかしくなって小声で言ったのにしっかり聞こえていた。
「笑わないでくださいね。自分でも似合わないって分かってるから……受付嬢です」