「傘、ありがとうございました」
「傘があって良かっただろ?」
「この傘のおかげで濡れずにすみました。でも……私は濡れなかったけど……」
「オレ?昨日も言ったけど、高校では陸上やっていたから足には自信があるんだ。家は駅からは近いから走ったら直ぐだし……。全然平気だったから」
「高校ってどこだったんですか?」
私が通っている学校は陸上部が強くて昨日待ち合わせした友達も推薦で入って来た一人で。だからちょっと気になって訊いてみた。
返事が返ってきた時はビックリした……私が通っている学校だと分かったから。
「そこっ、私が通っている学校です」
同じ学校と聞いて距離が近くなったようで嬉しくなったのに次の一言で今度はショックを受けてしまった。
「えっ……って事は高校生?てっきり中学2年か3年かなと思ってた」
中学生に見えていたなんて……ショック。
「そうか高校生だったんだ……何年生?」
「一年です」