さっきまで気付かなかったけど……この人かなり背が高い。
私が低いからそう感じるのかな。


「どうした?」


「羨ましいなって思って……自分が低いから背の高い人って憧れます」


「そうかな……背が高いと損する事もあるけどね」


「そうなんですか?……」


駅までの道のりを会話をしながら歩く間、凄く楽しかった。
男の人達に囲まれて逃げることができなくて怖くて、どうしようって時に突然現れて助けてくれた。


だからかな、この人なら大丈夫だとそんなふうに安心していられた。
通りすがりに何人かの女の人達がこっちというか、この男の人を見ていった。


背が高いし、イケメンでカッコイイからかな。


突然、ポツンっと雫が手に落ちてきた。
雨?
どうしよう……傘持って来てないや。


「降ってきたな、もしかして傘ないの?」


「持ってないです」

「じゃ、入りな」


「でも……」


「いいから、濡れるだろ」


「すみません」