「いや……そんな事は……」
「残念だけど、保田の言ってること嘘って分かってるから。ほとんど最初から見てた。どっかで見た顔だと思ったら……お前さあ、嫌がってる女の子無理やり連れてくなんて、どうかと思うけど。
そろそろ離してやったら？」
「チッ！」
保田って人は舌打ちをし。その後、仲間の男の人達と行ってしまい先輩と呼ばれていた男の人が一人残った。
もしかしてこの人、助けてくれた？
「大丈夫？」
さっきまで逃げようと必死だったからこの男の人のこと良く見てなかった……気付かなかったけどこの人イケメンだ。
「はい、ありがとうございました」
「夏休みだし、時々、あんなのがいるから気を付けな。
君、友達を待っていたんだよな？まだ待つの？」
「遅れるけど来るってLINEがあったからもう少し待ちます」
「待ち合わせは何時？」
「え～と、10時から10時15分までの間に来ようって言っていたんですけど……今、何時だろう」
携帯電話を開いて時間を見ようとした。
「連絡あったって言ったけど遅くないかな？その約束の時間からもう一時間は経っているよ」
「って事は……えー！！もう11時ですか？」
「そうだね。今は11時７分だよ」
その人は携帯を開いて正確な時間を教えてくれた。
