また一人、男の人が増えた。この人も知り合い?
今のうちに……。
と思ったのに逃げようとしたのが分かったのか別の男の人がピタッと横にきて動けなくなってしまった。
「先輩!!……何でここにいるんですか?」
「保田、この人お前の知り合い?」
「ああ、高校ん時の先輩だよ。たしか頭良くてさ結構名の通った大学に受かって通ってるんでしたよね。
その学校って県外じゃなかったですか?」
「夏休みだから帰って来た。この子、保田の彼女?」
保田という人に話しかけているのに私の方を見ていてこっちに訊いているように聞こえて。
思いっきり首を振って否定した。
「違います」
「いや……俺らこれから女の子達と遊びに行くんですけど。この子待ち合わせの友達来ないみたいで、つまらなそうにしていたから誘ったら行きたいって言ったんで車まで連れてくとこなんです」
違う!!
行くなんて言ってない。
「それ、嘘だろう?その子嫌がってたんじゃねぇの?」