「あっ、俺の友達来たわ。君の友達ちっとも来ないね。もしかしてホントは待ち合わせてなかったりして?」
「違います。遅れてくるから待っているんです」
「ふう~ん、遅れて来るんだ」
やだなぁ……友達が来たなら、いいかげんどこかに行ってほしいのに何故か近くにいて動こうとしない。
「君さ、友達やっぱり来ないんだろ?待ち合わせなんてウソなんだろう?
だったら、このまま一緒に行くか。はい決定」
はっ?なんで勝手に決めつけて……。
「来ます」
「ほら、行こう」
ちょっ……やだぁ……
男の人達の一人が強引に腕を掴み引っ張った。
「私、行かない。やだっ……離して!!」
「いいから、いいから」
「でもっ、ここで待ってるって約束だから」
なんとか立ち止まり相手の手を振り払った。逃げようとしたけど、ムリだった。
また腕を掴まれてしまい……。
「警戒してるの?大丈夫だよ。このあと二人、女の子が来る予定だし……きっと楽しいよ」
もう嫌だ。この人達しつこい。
「おいっ、保田!!」
急に私の腕を掴んでいた力が緩んだ。