「─お前の魂をもらいに来たっつってんだよ…。」


耳元で囁かれ、思わずビクッとした。
溶けてしまいそうな低くて甘い声。
そして綺麗な顔立ち。


変な奴だけど、普通に出会っていれば惚れてしまいそうなくらい完璧な人だ。


「……っ。」


私は心臓がドキドキして思わず言葉に詰まった。


「ようやく俺の言ったこと理解できたみてぇだな?」


そこまで言われて、ハッと我に返った。
…そんなの…


「…理解できるわけないじゃない!!!」


本当に何?
私はまだ元気だし、仮に病気になったとしてもこんな奴に魂をあげるわけない。
それだけは絶対にない。


「…そうか。
んじゃあメンドクサイけど1から説明するか…。」


言わなくとも、顔が“はぁ、めんどくせぇ”と言っている男。


説明されなければそんなことわかる訳ない。


男は体勢を元に戻し、ベッドに深く腰掛け、語り始めた───。