2人電車に乗って帰る。

遅くなったせいで、電車が混みはじめていた。
人ごみに押されて、司にドアに壁ドンされた形になってしまった。
ただ、身長差がありすぎて目の前には第2ボタンがある。

見上げると、司は窓のそとを見ている。
まつげか意外と長い、二重の目元、そこにかかるふわりとカールした前髪、角張ったアゴのライン、筋がうかぶ首筋。

あたしは、ぼんやりそれを見ながら、さっき言われたことを考えていた。