「くるみ、残念だったね。」

そう言って、まなみは慰めてくれたけど。自分は、砂原王子と回ることになって、ルンルンしている。

「いーなー。楽しみだね。あたしなんて、実行委員だよ。」

と、言ったものの。
肝試し自体が苦手だし、しかも、よく知らない男子と回るなんて、まっぴらごめん。

「なんか、女子の体育委員がどうしても回りたいって、羽柴に泣きついたらしいよ。」

「みんな王子狙いだよね。きっと。」

「羽柴、裏工作なんてしない、とか言ってたのに。ちょっと甘いよね。」

「女子に甘い。なんか腹たつわー!」

「羽柴のくせに。」

「そこ!うるさいぞ!ドングリ今日、さっそく実行委員会あるかんな。放課後、出ろよ。」

「えー!じゃあくるみ、一緒に帰れないじゃん」

「夏目は部活あんだろ。」

「司こそ、わすれないでよ。」

「俺、部活あるかも~。」

「ちょっとー!」

まなみと二人で叫ぶ。
やっぱり素直になるって、どういうことなんだろう?