「けどさぁ、幼稚園児は、王子と同じバレー部っていいとこそこだけだな。」


「ヨシヨシでかした!って。」


そうなのだ。

司は、砂原王子と同じバレー部なのだ。

しかも、一年にして二人ともレギュラーだとか。


だもんで、人をチビ扱いするのだが、やつらがデカすぎるのだ。


「そだ、今日部活覗いて帰ろっ。」

「やだよ!なんでっ!」

「いいじやん。今日1日それでがんばるんじゃん。」


あたしは司に、なに言われるかと思うと気が重い。


「それに、幻聴かどうか確かめたいし。」

ウフフっと、まなみは、肩をすくめる。

かわいいから、ゆるすけどっ、

「帰りになんかおごってよ。」


まなみは、親指たてて、ぺろっと舌をだしてみせた。


ま、かわいいから、ゆるすけどっ、ね。

そこで、始業のチャイムが鳴った。