「ね、なんであの話。司には言ったらいけないの?」


今度は砂原王子とまなみが、顔を見合わせる。


「そりゃあ、幼稚園児には、わかんないから。」

「羽柴には、気づいてほしい。ってとこかな。」

「なるほど。」


男同士で恋バナなんて恥ずかしいからかな。

まなみが、ガシッと肩をくむ。


「くるみいっしょに帰ろう。また、なにか言われたらイヤだしね。」

「ありがと。」

「残念だけど僕は、部活あるから。夏目さんよろしく。」

「まかせて!」


砂原王子はそう言って、軽く手を振りながら教室を出ていった。