返すことばを探しているあたしを、いぬくように彼女の声が聞こえた。

「羽柴~!」

「おー!」


司は、手を挙げて答える。

そんな姿も見たくないのに。


「あっ、おまえも来る?」

「いいっ。急いで課題仕上げなきゃいけないからっ!」


あたしは、逃げるように駆け出した。