靴箱のあいだでへたり込んでいるあたしは、見つけられなかったか、そのまま司のほうへ近づいて行く。


「なぁ、早瀬さんみなかった?先に来てると、思ったんだけど。」

「さー?ちっさいから、見落としたかもな。」


ひどーい。
相変わらず悪口だ。


すると、砂原王子はクスッと笑う。


「羽柴が、早瀬さんの悪口言う時は、彼女がそばにいるときだけだからな。」

「なんだよ。それ。」

「ほら、みぃーつけたっ。」


突然、砂原王子が目の前に現れて、あたしの手をとった。

「どうしたの?羽柴になんかいわれた?」

あたしは、あわててくびをふる。