「そんなんじゃないってなにが?」

ハッとして、顔を上げると砂原王子が、まなみと立っていた。


えっ、いまの聞かれた?いったいどこから?
顔が真っ赤になってゆく。

「だから、コイツが」

「司!やめてよ!」

「くるみ、どうしたの?泣いてるの?」


まなみに言われて、自分が泣いていることに気が付いた。


恥ずかしい。

そう思うと、また涙が出てくる。