でも、司は知らん顔で、今度はあたしの歩幅に合わせて、ゆっくり歩いてくれる。


なんか、照れくさい。


「司。もぅ、手放しても大丈夫だよ。」

「ダメ。どんくさいから。」

「む~。ちょっと!」



「ケガしなかったか。」

「え?」

「悪かったな、練習見に来いって言ったのに。」

「あ、そういえば。なのに、帰れってひどくない?」

「だーかーら、あやまってんだろ。」


ふて腐れたような司とは対極に、芝桜がひかる。


光の丘につつまれて、少し気持ちもほどけてくる。