「くるみーまなみー!わたしもカラオケ行きたい!」

となりのクラスから安藤さんが走りこんできた。

「いいね。僕も誘ってよ。」

それを見て砂原王子も参戦してくる。

「今日はダメ!女子会だから。あらためて安藤ちゃんだけ誘いなよ。」

まなみがきっぱりと断ると、砂原王子は頭をかきながら、遠慮がちにきりだしだ。

「じゃあ、安藤さん。今度カラオケ行こう。」

「NBNの曲、歌えない子とはいきません。」

「NBNの曲覚えたら、つきあってくれる?」

「そんくらいじゃ、付き合いません。」

必死に迫る砂原王子に、安藤さんが真顔で答えてるのがなんだか面白い。
焦れたまなみが尋ねる。

「ねぇなんで、砂原王子じゃダメなの?」

「ごめん。顔がタイプじゃないの。」

『ええっ!』その場にいた全員が、おどろいたなか、いとこである北城だけがうなずいた。

「ああー。ゴリラっぽいイカつい感じのヤツがタイプだもんな。NBNのギターリストみたいな。」

「そーなの、あの体躯で細い弦を操ってるの、可愛いくって萌える。」

「マジで?これから体鍛えて僕、さらにゴリラっぽく整形しよっかな?」

さわやかに笑いながら宣言した砂原王子に、『やめとけー!!』全員がつっこんた。