「ホント。ダメだなぁ。」

「ごめん。でも大切にするから、幸せにするから。」

「違うよ。司のことじゃなくて、あたし。早く素直に好きって言えば良かった。」

そう言って見上げると、司は赤くなって目がウルウルしていた。

「言ったそばから、俺が幸せになってどうするー。」

『あんま見んな』そう言ってうつむいて鼻をすする司をすごく愛おしいと思う。
そっと抱きしめて、背中をさすっていると、昔もこんなことがあったと思い出してきた。