家に帰って、しばらくするとコツコツと部屋の窓に小石があたる。


窓を開けると、司が部屋の下に立ってた。

「どんぐり。」

「なに?わざわざそんなこと言いに?」

「いま投げたやつ。」



見ると、ベランダにどんぐりが転がってた。


「出て来れるか?」

「えっ。うん。」



あわてて、外に出ると司が歩き出した。

「ちょっと、なに?」


答えず司は、ズンズン歩いていく。

小走りでおいかける。



「ね、司、待って。ちょっと!聞いてんの?」

「えーっちっさくて聞こえなーい。」

司はニヤニヤ笑いながら振り返る。

コイツわざわざケンカ売りに来たんかい?