「プロポーズもしたよ。指輪も送ったじゃん。ま、ドングリだったけど。」

「ま、待って、それって、まさか幼稚園の時のこと?」

「うん。あの頃からずっと想ってる。」


確かに、幼稚園のころ「大人になったらダイヤモンドのあげるね。」ってドングリで出来た指輪をもらった事があった。
ただ、数日後、そのドングリから虫が出てきて、大泣きしたことも思い出した。
その衝撃が大きすぎて、嫌な記憶としてすっかり忘れてた。

「で、でも、だったら他の子とつきあわないでよ。」

「あ、あれは、脅されて。」

「脅されてつきあう?なにそれ、その気がないなら断ればいいだけでは?」

「全員はじめは断ったよ。でもあいつら『つきあわないなら、くるみをイジメる』って言うから。」

「な、そんなことで。」と言いかけて、イヤなことを思い出した。
友達に告白したいから着いてきてって頼まれた時のこと。
アレはあたしが試されてた?そういえば司よりあたしばっかり見られてたかも。
おもえば、あたしの司への気持ちはありませんってアピールをさせられた訳か。