「ね、司、どうしたの?ってか、観覧車だよコレ。」

「わかってるよ。」

首に当たる司の髪がくすぐったくて、当たる息もゾワゾワして、両手で司の顔をはさんで首もとから離す。

「高所恐怖症なんでしょ。大丈夫?」

「大丈夫じゃない。」

「なんで乗っちゃったの?」

「くるみから好きって言われて大丈夫なわけない。」

「えっ、嫌だった?迷惑だった?」

ごめんってあせって、離そうとするあたしの手に、司が手を重ねた。

「違う!うれしくて心臓ヤバい。」

「そ、そんな…ウソ。」

「10年前からずっと好きだよ。知ってたろ。」

「し、知らないよ。だって、そんなコト言ってくれなかったじゃない。」

あたしは、おどろいて首をぶんぶん振った。