「えっ?す、好きって?まさか!」

だったらなぜ、あの時何も応えてくれなかったの?

「アイツの部屋にさ、くるみの祭壇あるの知ってる?」

「さ、祭壇って…。なにそれ。」

あたしの疑問を、先に王子がドン引き顔でつぶやく。

「あるんだって、くるみから貰ったCDとか折り紙とか、ドングリとか。本棚の一番上の棚に飾ってあって、コレはいつ貰ったもんだとか、どういう経緯があるか説明された。」

「それは、なんか年季が違うな…。」

「もー。ドン引きー!でしょ。淡い期待なんて木っ端微塵にされるよ。」

憤慨する安藤さんと、青ざめる王子を目の前にあたしは気になることがあった。

「あの、CDって?NBNのサイン入ってた?」

「いやー包装したままだったから、NBNかどうかはわかんない。けど、今年の誕生日にもらったって自慢してきた。」

「ええ、開けてないの?」

「うん。もったいないから開けらんないってさ。」

それをきいて、砂原王子がたまらず叫ぶ。

「うわっ。もう十分。それより、言質とれた方の動画もすぐ送ろうよ。コレ降りたら殺されるかも。」