あたしの声に、2人が同時に顔を上げて、お互い見合わせるとニヤリと笑う。

「ああ、驚かせでごめん。こうでもしないと素直になってくれないからさ。」

「お互いにね。ほら、下見てて、アイツすぐかけつけてくるから。」

そう言われて、下をのぞくと…。
ものすっごい勢いで、走って来る司のすがたをみつけた。
それは、2人にもわかったみたいで、ニヤニヤ笑ってる。

「うわー。阿修羅みたいな顔してんね、あれ。」

「マジで。こわいなぁ。」

なんで司が怒ってるの?
あたしのことなんて、幼なじみとしか思ってないはずなのに?
あたしばっかりが、想ってるんじゃないの?
疑問ばっかりが浮かぶ。

「いまさ、考えてること、素直に羽柴に聞いてみれば?」

あたしな複雑な顔をみて、王子が声を掛けてくれた。

「え?」

「間違いなくドン引きもんで、くるみのこと好きだから。」