「早瀬さん。」

突然後ろから砂原王子の声がした。

「?」

「大丈夫?せっかく観に来てくれたのにごめん。」

「大丈夫。練習の邪魔してごめんなさい。」


「わたし、大丈夫じゃない。」

まなみが、砂原王子に噛みついた。


「騒いでたの、くるみじゃないし、ボールに当たってたらどうすんの?」


あんなに砂原王子~LOVE~なんて言ってたのに、驚き!


「ごめん、夏目さん驚かせて。でもあれは、羽柴的に、早瀬さんを守ったんだけどね。」

「?」


どういうこと?なんて言った?


ポカンとしてるあたし達に、砂原王子がなにかを言い出そうとしたところに、司の声が聞こえた。

「砂原、戻れ、試合だぞ。」

「ごめん、戻るよ。」

砂原王子は、両手を合わせてウィンクする。