「っかーお腹すいた〜。なんか食べたい。北城パシれー。」

「北城いってきまーす。」

「フライドポテトとシェイクなっ。ほら、安藤もついでに頼みなよ。」

「もー夏目ちゃんって、そんなキャラだったっけ?」

「そっちこそ。」

小休憩。
男子達が買い出しに行っている間フードコートの一角を陣取り、まなみと安藤さんはすっかりうち解けて、フツーにおしゃべりしている。

「あっ!北城やっぱ待ってあたしも行く。」

そう言うと、まなみは北城のあとを追って行ってしまった。
残されたあたしと安藤さんは、話ができるわけもなく、なんとなくお互い目をそらしていた。

ヒマだなー。

そう思ってボンヤリしながら、BGMに合わせて何となく小声で歌っていた。

「なんでこの曲歌えるの?CD発売まだだよね。」

突然、身を乗り出すようにして、安藤さんに問い詰められる。

「あ、あの、路上のとき毎回歌ってたから。」

「えっ早瀬さんって、路上のときからNBNのファンなの?」

「うん、まぁ。」

「あたしもっ!すっごい好きなのー。」

安藤さんは立ち上がると、つかつかとあたしの方へ近づくと、そのまま抱きつかれた。
なに?なに?なに?
あたしは驚きすぎて立ちすくんでしまった。
いやいやこれ、なんかおかしい図になってない?