数日後、あたしから一人になったタイミングで砂原王子を呼び止めた。

「あ、あの、ちょっといい。」

「いいよ。」

「コレ良かったら一緒に行ってほしいのですガ。」

緊張のあまりロボットのようになりながらあたしは、あの遊園地のペアチケットを砂原王子にさしだす。

「あれ?なんで羽柴と行かないの?」

ズバリと王子の直球がとんでくりる。

「つ、司が砂原君誘えって。」

「断ってほしそうだね。」

「えっ?そんなこと…。」

「じゃあ、こないだの答えと思って受け取っていいのかな。」

あたしは、決意を込めてうなずいた。
砂原王子が大きなため息をひとつ。

ちょっと不安になる。
あたし、まちがってないよね。

そんなあたしを、よそに砂原王子が笑いかける。

「じゃあ、さっそくで悪いんだけど、この土曜日とかどうかな。」

「えっ!でも、テスト発表中だけど…。」

「部活休みなのテスト発表中のみなんだよね。」

「あ、そうか、そうだね。」

「1日ぐらい羽根伸ばしても平気だよ。」