「なんでもないよ。司の勘違いじゃない?」

「勘違い?あんな顔してて?」

どんな顔してたんだあたし?余計に顔があげられない。

「も、もう司の家にはいかない。ちょっとモテるからって。」

「わかった。じゃあ、あのチケットやっぱあいつと使えよ。」

「わかりました。そうします。」

そう言うと司は足早に自分の席にどかりとわざとらしく座った。
まなみが優しくいたわるように、あたしの背中をたたく。

「ごめん、上手くいってるとばかり思ってたんだけど。」

「そんなに素直になんかなれないよ。どうしたらいいかわかんないよ。」

まなみは、いつまでもあたしの背中をたたいてくれた。