「んで、どうすんの王子と羽柴。」

「うっ。まだ、そこまで気持ちがおいつかない。」

言いながら、顔が火照ってくるのがわかる。
それを見てまなみが吹き出す。

「まあいいけど、羽柴熱出たんだってね。お見舞い行くんでしょ。」

「べ別に、テスト範囲のプリントとか持ってくだけだし。」

司はあたしと入れ違いに熱がでて休んでいる。

「あの子フォークダンス断られたぐらいじゃあきらめないかもね。」

「え?」

「家バレてんでしょ。先超されちゃうよ。」

「そんな、先超されるとか…。」

「羽柴だって案外、押しに弱いタイプかもしれないしね。」

まなみの沈黙が不安をあおる。

「とりあえず帰る!」

「おぅ、帰んな帰んな。最悪骨はひろったる!」

「やー。やめてよー。」

放課後、まなみに手を振るのもそこそこに帰ることにした。