それってあたしのこと特別って言ったのかな。
そーっと司をうかがうと、頬杖ついて笑顔でこっちを見てる。

「あんまり見ないでよ。食べづらい。」

「わるかったな。」

あわてて司がそっぽをむく。

「残していいからな。無理すんなよ。」

「大丈夫。やさしいの気持ち悪いよ。」

「な、なんだそれ。」

司の横顔が少し赤く染まる。
「ふー。」と司がため息をつく。

「結局、俺ばっかりだな。」

「なに?」

「なんでも。じゃあな帰るわ。ん、これ、あいつと行けよ。」

そう言って立ち上がると、何かのチケットをさしだした。

「?」

「実行委員だけ特別だって。」

よく見るとそれは、遊園地のペアチケットだった。

「つ、司は誰と行くの?」

「さあな?」

曖昧な笑顔で司は、あたしの頭をくしゃっとつかむと、そのまま撫でて帰ってしまった。