そう言と、司はキッチンに立ってなにやら作り始めた。
しばらくするとキッチンからいい香りがだだよってきた。

「いいにおい。」

「もう出来るからな。起きあがれるか?」

「ん。大丈夫。」

起きあがると、キッチンから司が一人ぶんの鍋をもってきた。
湯気のむこうで司が取り分けてくれる。

司が作ってくれた鍋焼うどんはやさしい味がした。
「すごい!おいしい。」

「まあな。うち両親共働きだからときどきつくるんだ。」

「そうなんだ。まさかの胃袋つかむタイプ?」

「まさか。こんなこと特別な子にしかしないでしょ。」