「ほら。」司がベッドに注意深くゆっくりと下ろしてくれた。
揺さぶられたせいか、熱が上がったのか、あたしはそのまま倒れ込んでしまった。

「ったく仕方ねーな。」

口ではそう言いながら司はテキパキと、養護教諭に説明をすます。
布団をかけて頭をひとなでして言う。

「絶対熱あるから、今日は動くなよ。」

そう言うとあたしの連絡先告げて食堂に戻って行った。

「ステキな彼氏ね。」養護教諭は感心したようにあたしに笑いかける。
(ちがいます)
答えられなかったのは熱のせいだけではなかったかもしれない。