あたしはいろいろ恥ずかしくって顔が見られないようにうつむきながら答えた。
ところが、すばやく司の手があごをつかんで上をむかされる。
「ちょ、やめて…」言い終わらないうちに、反対の手がおでこにのびる。

「やっぱり熱あんな。砂原、夏目、担任に言っといて医務室連れてくから。」

「えっ?くるみ熱あるってなんでわかるの?」

「昔っからこんな顔してる時は熱があるんだ。本人は気がつかないんだけど。」

そう言うと、司はあたしを米俵よろしくひょいと肩に担ぎ上げたかと思うと、そのままスタスタと歩きだす。

「きゃぁ!ちょっとやめてよ、恥ずかしいでしょ!」