朝からだるい。
どう考えても王子と付き合うというイメージが浮かばない。
けど、学校きっての王子の申し出を、ヒエラルキー最下層が断っていいの?
考えると眠れなかった。

泣いて寝不足でとんでもない顔になってるはずだけど、怖くて鏡がみられない。
まなみも気を使ってくれて、だまってタオルを冷やして持ってきてくれた。

「食堂行ける?つらいなら一緒にメシ抜きにするけど。」

「大丈夫。」

食欲はなかったけど、欠食すると後で担任から叱られるのでとりあえず食堂に出向く。
食堂の入り口でばったり司と砂原王子に出合う。
気まずい雰囲気に口火を切ったのはまなみだった。

「おはよう。」

「おはよう。夏目さん、早瀬さんよく眠れた?」

「お、おはよう。」